結婚して嫁いだ先は、周りが美しい田畑と言えばキレイですが、スーパーまで車で20分、ちゃんとした総合病院までは車で小一時間と、所謂「限界集落」と言われる部類の田舎で、仕事に不満はありませんでしたが、今後子供が産まれたらここで暮らしていけるのか不安がありました。
学校も統廃合で、歩いていける距離にはありませんでしたので、近所に小さな子供を見ることはありませんでした。思い悩んでいるうちに気分の悪い日が続いたので病院で検査をしたところ、妊娠をしていました。
病院の近い市街地へ
仕事場までは、車で30分くらいの工場で事務職の仕事をしており、気に入っていましたが、引越と出産を考えると一旦辞めて専業主婦になった方がいいのではと思い、旦那に相談をしたところ、旦那も病院が遠い事を心配していた様で、旦那の仕事場に近いもう少し都会に引越す事にしました。
引越先で、出産をし、子供が1才半になり言葉も喋り始め、少しずつコミュニケーションもとれるようになってきたので、保育園に預け、私は新しい仕事先を探し始めました。
農業生産法人に絞って転職活動
昔から農業をしてみたいと思っていたことと、大学で農学系のことを学んできたので農業生産法人をターゲットに転職活動を始め、何社かの面接を行いましたが、農業ということで朝早くからの勤務や土日勤務もあるが大丈夫かということを聞かれることがよくありました。子供を預けている保育園では、早朝、土日が預かってもらえる時間帯と一致しないので、不採用になってしまいましたが、保育園に預けられる範囲内でよいと言って貰える農業生産法人もあり大変助かりました。
その他、面接ではどんな仕事をしたいのか、体力面は大丈夫かということをよく聞かれ、したい仕事内容については事前にアピール文を作成して準備していたのでスラスラ答えることができ、体力面については、子育てで培った体力と数年前の独身時代には山登りをしていたと伝えると、面接官の方から笑い声があがり、安心してもらえました。
自分でも農業を仕事にするにあたり、早朝は駄目、土日は駄目という条件では採用は難しいと思っていたので仕方ないと思っていましたが、子育てに理解のある3つの農業生産法人から内定を貰う事が出来ました。
農業生産法人と言ってもその性格は色々で、農産物の生産をメインにしている農業生産法人、加工・販売をメインで行う農業生産法人と色々あり、その中でも生産から果物狩りまでを行っている観光農園での就職に決めました。
決めた理由としては、面接の際、社長としっかり面談をする時間を頂けたのと、農業生産法人の思い描くビジョンとこちらの考えに大きなズレが無かったこと、単なる農産物生産や販売の労働力では無くこちらから積極的に仕事の提案をさせていただけるということが確かめられて良かったです。
小さい子供を育てながら農業生産法人への転職は難しいと思っていましたが、実際に面接を受けてみると、こちらの条件で働けるよう考えてくださる農業生産法人も多く、案じるより産むが易しでした。